最近はソニーに代表されるように面接の際に大学名を見ない企業も多いですね。
そうなると勝負はESと面接の力で決まる訳ですが、皆さん自分のESに自信ありますか?

就職活動を控えて大手SIerを志望している。
しかしESに何を書けばいいのかわからない。
上手に書いているつもりなのに落とされてしまう。
そのような方に向けて、ESから面接まで一度も落ちたことがない現役SEが大手SIerに受かるESについて解説します。
私はSEとして毎日かなりの数の打ち合わせをこなし日々、日本語と格闘しています。
打ち合わせは短く・要点をまとめて伝える、そして短時間で決着させなければいけません。
また、議事録として残す際もまた、必要十分な情報を読みやすく作成する必要があります。
型が決まったESのような文章は、ちょっとしたコツを抑えること他学生と圧倒的な差をつけることができます。ESで落ちるのは非常に勿体ないので、一刻も早く受かるESを身に着けましょう。
・目的を明確にする
・ゴールまで一直線に記載する
大手SIerのESは「文章構造×個性」がすべて。
大手SIerのESの目的は落とす学生を選定することです。
理由は簡単で、志望者の多い大企業は面接できる人数まで学生を効率的に落とす必要があるから。
効率的な採用を実施するために、
ES→面接(人事)→面接(現場)→面接(幹部)
のような順番で行うのが一般的です。
人事から始まり幹部に終わるのも、各部署が持っている面接用の作業時間を考慮した結果です。
人事は、「技術に詳しい」人でも、「経営手腕に優れた」人でも無い、言わば一般人ですので選定観点は社会常識のウェイトが大きいです。
【人事のミッション】
- ES1枚当たり2~5分で100人中50人のNG学生を弾け
※実例:4万人から2万人を選定
あなたはA4 1ページのESに2~5分で何ができますか?
人事は限られた時間で最適な落とし方を知っています。それが、「頭にスッと入ってくる文章」×「気になるキーワード」で判断する方法です。
【ESの評価基準】
- 最低ライン→途中で読むのを辞めたくならないダメな日本語でないこと。
- 評価ポイント→キャッチーなキーワードがあること。
ESは「文章構造×個性」がすべてです、それさえあれば2~5分耐えられるES。すなわち受かるESが書けるのです。
なぜならESは文章的に途中で読むのを辞めなければ3分は掛かります。そして気になるキーワードに振り返って読む時間を合わせると5分だからです。
人事側の視点をもっと深く理解したい人はこのページがおススメです。
OPEN ES vol.6 ◆人事が見ているポイント
詳細な書き方はこちら
リクナビ 就活準備ガイト
大手SIerに一目で興味を持たれるESの書き方
◆文章構造
大手SIerに限らずESは全てこの方法で圧倒的に差をつけれます。
それは型から文章を肉付けして書く方法です。
例えば志望理由を書きたい場合は、何文字だろうがまず目次を作ります。
ここでは有名なPREP法を使って目次を考えてみましょう。
Point・・・最初の結論
Reason・・結論に至る理由
Example・・理由に至る具体的な事例
Point・・結論(繰り返し)
①.最初の結論(会社でやりたい事がある)
②.結論に至る理由(何故その会社でやりたいのか)
③.理由に至る具体的な事例(その会社が力を入れている分野と私がやりたいことが同じ)
④.結論(会社でやりたい事がある)
PREP法に合わせて目次のサンプルを作ってみました。
目次の横に書いた括弧の内容で埋めていくのですが、各項で根拠+主張を書く必要があります。
この時に絶対にやってはいけないことは同じ内容を2度書くことです。貴重な文字数を減らすことは絶対にしてはいけません。
志望理由の場合は、「なぜその会社なのか」・「会社はなぜ私を選ぶのか」の2軸で考えていく必要があります。
PREP法で構造を固め、「なぜその会社なのか」・「会社はなぜ私を選ぶのか」の2軸で根拠+主張を書くことで、1枚数分の斜め読みでも理解でき、かつ十分な情報量を記載することが出来ます。
次はこの目次に肉付けする内容(個性)について考えましょう。
◆大手SIerに受かる個性
大手SIerに受かるためにはキャッチーなキーワードが必要不可欠です。
「記憶に残りやすい=受かりやすい」からです。
数分で見るESでも、一瞬でどんな人か・なのをやってきたのかをイメージさせる強力なキーワードが必要です。例えば、
・留学経験
・起業実績
・学業/部活の実績
のようなキーワードが良く見られます。
しかし、よく使われているからと同じ様なキーワードを用いても他のESとの差別化は出来ません。
キーワード選定において、重要な観点は以下の3つです。
・主体性
・再現性
・ビジネス応用性
ESに書くべき主体性
再現性は目的に対して自身の考えや意見を持って実際に行動を起こせるか否か、を言います。
物事に調整した際に、思い通りに行かなかった経験や、どうすればいいのかが分からなくなった経験があれば、そこで自身がどの様に考え行動したのか、それが「主体性」です。
裏を返すとあなたの思考や判断によって起こすアクションが変わる場合、それは「主体的な行動」と言えます。
例えば、留学に行ったが、海外の日本人学校に配属となるカリキュラムであったため友人がほぼ日本人しかできなかった。とします。
しかし私の目的は日本人の友人を増やすことではなく、海外の文化に触れ、現地の方の思想や本場の言語を学びたいと思っていた。
このギャップを埋めるために、どうすればよいかと考え、地元の週末に開かれている地域イベントに積極的に参加した。
その結果、海外の友人も増え語学力が向上し、地域のイベントに携わる機会を経て異文化でのコミュニケーション能力も向上した。
と言うことが言えれば主体性がある学生と判断されます。
ESに書くべき再現性
再現性は企業での活動において、自身の強みなどのアピールポイントが再現できるか否か、を言います。
企業活動と、自身の過去の活動の共通項を見つけ出し、今まで自信が行えていたのだから企業の活動においてもこの経験は生かせる、それが「再現性」になります。
例えば、志望企業に営業活動があるならば、自身が行ってきたバイトの接客などのコミュニケーションから笑顔での接客・お客様の話の聞き方・新商品の提案方法や相手の興味関心の確認方法などは生かせます。
企業活動は個々の人間の作業結果の集合体なので、細かく分析すれば小さな経験でも生かせそうな要素について、訴求できるはずです。
再現性は広い範囲でコミュニケーション能力と訴えるより、その企業がどの様な活動をしているかを分析したり、実際に近いことを行った経験があると伝えればより再現性がある学生と判断されます。
ESに書くべきビジネス応用性
情熱的な就職活動をしていると見落とされがちですが、あくまでも企業は利益を上げることを目的としています。
ですので、マネタイズを少しでも意識したビジネス応用性がある活動は高く評価されます。
そもそもビジネスの大前提に、「誰かのために何かをして報酬を頂く」という軸があります。
なので、「○○というターゲットは□□のニーズを持っている、そこに△△の方法でアプローチする」と言った思考が必要となります。
なぜ、○○というターゲットを選んだのか。
2.仮説の設定
なぜ、□□のニーズを持っている、△△の方法でアプローチ出来る、と考えたのか。
3.仮説の検証
どの様に実施して、どの様な結果が出てどう考えたのか。
この3つのプロセスはMBA(経営学修士)で言うところの仮説検証にあたり、ビジネスの基本中の基本かつ根幹です。
そしてこの3つが出来る人は主体的に行動し、会社の経営活動において再現できることが明確です。
なのでビジネス応用性はアピールポイントとして非常に強い訳ですね。
戦略コンサルの基本「仮説検証プロセス」~IT技術者のための戦略・業務分析入門~
大手SIerに受かるES:志望理由の例
ここまで踏まえて、志望理由を試しに書いてみました。
今回は個性としてビジネス応用性もあるAWSを用いたアプリ開発を選んでいます。
①.最初の結論(会社でやりたい事がある)
御社でAWSを用いたサービス提案を通してITによる革新に寄与したいからです。
②.結論に至る理由(何故その会社でやりたいのか)
御社は現在クラウド事業においてAWSを用いた新規提案に力を注いでおり、私が趣味のアプリ開発で学んできたAWSの技術を生かすことが出来ると考えたからです。
③.理由に至る具体的な事例(その会社が力を入れている分野と私がやりたいことが同じ)
御社は20XX年までにAWSに関する技術者を育成・組織化し、過去に培ってきたネットワーク技術と組み合わせサービス提案力の向上を目指していると伺っております。
私は、大学で学んだAI技術と趣味で利用しているAWSを用いて既存にはない斬新なアイデアを数多く実現できると考えており、御社のサービス提案組織の一員としてITによる全く新しい喜びの創出に参加したいと考えているからです。
④.結論(会社でやりたい事がある)
自身の経験とスキルを活かして、御社でAWSを用いたサービス提案を通してITによる革新に寄与したいため、御社を志望します。
何故AWSを選んだかはこちらの記事参照
ビジネス応用性のある個性のネタ探しについて
2.海外での研究活動
3.ハッカソン(プログラミングコンテスト)への参加
一見すると一般的ではない経験をしている様に見えるかもしれませんが、
正直に言うとそこまで優秀な学生ではありませんでした。
実際にはマネタイズと言いつつ稼げませんでしたし、英語もそこまで喋れないです。
ハッカソンも初心者も参加可能のイベントでした。
これらは全て包み隠さずに面接の場で伝えています。
ですが、就職活動の結果は国内の大手IT企業の合格率は100%でした。
高度な実績を求められる領域も当然ありますが、一歩踏み出す行動力で十分勝ち抜ける世界です。
挑戦を大事に戦ってください。
こちらの記事では文系・プログラミング未経験でESに書くネタが無くて困っている方でも、絶対に大手SIerに受かるESを書くためのお勧めの経験獲得法を解説しています。
現在大手SIerで働いていますが、就職活動や転職活動は人生を左右する一大イベントです。
この期間をいかに努力できるかで人生が大きく変化します、就活を1週間という短期間で劇的に優位に進められる方法です。ネタがない方必見です。
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